技術資料 パドルフローメータ編 1. 流量補正

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パドルフローメータ 液体の流量補正

設計仕様と異なる「流体密度」で操業している場合の流量の補正は以下になります。

1.液体(流量表示が質量流量の場合) 例:kg/h kg/min t/h

W1:実流量(補正後の真流量) 質量流量 kg/h        :単位は任意
W0:パドル指示流量 質量流量 kg/h    :単位は任意
ρ1:操業状態液体の密度(ロー1) kg/m3
ρ0:設計仕様液体の密度(ロー0) kg/m3
ρ1/ρ0 = 補正係数

例1.
設計仕様が液体密度 1000kg/m3 最大流量 2000 kg/h
実際の操業が 液体密度1200kg/m3 流量指示が1000kg/h の場合。
粘度がどちも同じ液体の場合とします。

 W1=W0×ρ1/ρ0
   =1000× 1200/1000
   =000× 1.2(補正係数=1.2)
   =1200 (kg/h) 

 器差=(指示流量-実流量)/最大流量×100%

W% パドル指示流量 W0 実流量 W1 器差 % FS
2000 2400 2400 -20.0
90 1800 2160 -18.0
80 1600 1920 -16.0
70 1400 1680 -14.0
60 1200 1440 -12.0
50 1000 1200 -10.0
40 800 960 -8.0
30 600 720 -6.0
20 400 480 -4.0
10 200 240 -20
5 100 120 -1.0
0 0 0 0.0

解説

パドルフローメータは推測式体積流量計の一種です、これはある体積が通過するときにパドルの羽根が何回転するかをあらかじめ知っておき、実際の測定時には羽根が何回転出力したからいくらの体積が流れたと推測しています。

実際の操業の体積が同じでも液体の密度が異なると質量流量は異なります。

流量表示が質量流量では流量の補正が必要になるわけです。

ただし、パドルフローメータは流体の粘度の影響を受けますので設計仕様の流体と大きく異なる粘度の流体が流れた場合には、流量誤差になります。

液体(流量表示が体積流量の場合) 例:m^3/h  m^3/min L/h L/min

設計仕様と異なる「流体密度」で操業している場合に体積流量表示 m3/h L/h などの場合は補正は必要ありません。

パドルフローメータは推測式体積流量計の一種ですので、液体の密度は関係ありませんので異なる密度の液体であっても、流量表示が体積流量の場合に補正は必要ありません。

ただし、極端に密度の異なる液体の場合は実験データが無いために検証できませんので設計仕様に対して、おおよそ30%程度までの密度変化に対する性能とお考えください。

ただし、液体の粘度は水相当(1mPa.s 1cp)とします。

3.上のパドルフローメータは型式:9900 8150 8550 MK515 MK525 2536 2537 に適用されます。

備考:パドルフローメータは液体専用です、気体、蒸気の流量計測には使用できません。