技術資料 圧力編２．

流量計に用いる流量調整弁の選定                   Cv値より流量計算する Excel

ＶＡＶＥ選定について
流量計に流量調整を目的にVALVEを選定取り付ける場合は、流量計前後の差圧が解っている
必要があります。 流量計最大目盛が 100 L/h の場合に差圧が 50 kPa と指定されれば 表より
122.32　L/h （表内赤字部分）のＣＶ値　0.2　が選定されます。
よってＣＶ値が0.2以上のVALVEとなりますが、あまり数値が大きいと流量調整が
できないので注意する必要があり、VALVEの選定を誤り Handle を少し開けただけで流量計の
最大流量が流れてしまい、流量調整が全く出来ない場合を見かけることがあります。
また、流量計の最大目盛より、どのくらい多く流量が流れる必要があるのか 仕様把握も必要です。

特に低圧力仕様の場合には、適切なＣＶ値のVALVEを選定する必要があり、VALVEの圧力損失
流量計の圧力損失を考慮しないでＣＶ値の小さいVALVE選定すると、VALVEを全開にしたが
想定した流量が流れないなどの、不具合が発生しますので注意してください。

流量計前後の差圧とは
水道の蛇口を例にすると、蛇口が開放されている場合に水道のバルブを全開にすれば、いきおい良く
蛇口から水が出ますが、蛇口に１００ｍのホースを取り付けたとするとホースの先から出る水の流量
は少なくなります。
つまり、水道の１次圧力は同じでも出口配管の長さにより流量が変わってきます。
このことは２次側の負荷（水頭）の値が変わることでバルブ前後の差圧が変わり、２次側の負荷が
大きくなると差圧が小さくなり、流量が少なくなることを表しています。
よって、配管に流量計を取り付け流量調整の目的でVALVEを選定取り付ける場合は、水道のホースを
何メートルにするのか？ １ｍなのか、１００ｍなのか、１０００ｍなのか？
流量計２次側の負荷を想定した適切なＣＶ値のVALVEを選定する必要があります。

参考：VALVEのＣＶ値は全開で表すのが普通だが、弁軸回転量と流量
が比例するVALVEばかりではないので注意が必要です。

備考1
ＣＶ値とは「VALVEの特定な開度において、圧力差が１lb/in² [6.895kPa] のとき
VALVEを流れる60゜F（約15.5℃）の温度の水の流量が、US gal/min (1US gal=3.785 L）
で表される数値（無次元）と定義されている。
配管に取り付けた VALVE を全開にして、圧力差が6.895kPa、温度15.5℃の水が 1 gal/min
流れている場合に使用しているVALVEのCV値が 1 となります。

VALVEのＣＶ値は実測により求め、VALVEを全開にしたときに、差圧1 lb/in²　15.5℃の水
が１分間に１ US gal（ガロン）流れるとき、そのVALVEの全開でのＣＶ値は１となる。
よって、ＣＶ値の大きい VALVE ほど外形が大きく、開口部分も大きいことになります。
VALVEメーカのカタログではＣＶ値の記載がされているのをよく見かけます。


備考2（参考）
Kv値とは「VALVEの特定な開度において、圧力差が1bar [100kPa] のとき
VALVEを流れる水の流量が、L/minで表される数値（無次元）と定義されている。
Kv = Cv / 1.167           Cv =  Kv  ×  1.167
 

備考3（参考）
Ａｖ値とは「VALVEの特定な開度において、圧力差が1kPa のとき
VALVEを流れる水の流量が、m³/secで表される数値（無次元）と定義されている。
Av = 0.000024 × Cv     Cv = Av  /  0.000024
 

備考4
液体、気体、蒸気　のバルブＣＶ値に対する　差圧−流量　を求める計算は Page top

備考5
上の　VALVE CV値　水流量表　は  差圧＝1psi　流量＝1gal/min　のとき、CV値＝1
の定義に基づいて差圧 kPa　流量 L/h  に換算して、CV値 0.01〜10 までを計算した。
　

上図のVALVE 全開時のCV値が 1.0 とした場合に1次圧 P1 が0.5MPa(G)である時に 2次圧 P2 が 0.4MPa(G)では水は 865 L/h 流れる。 2次圧 P2 が 0  MPa(G)=大気圧（1atm）になると 1934 L/h 流れる。 このように 1次圧が同じでも2次圧の違いによる差圧が異なることで 流量が大きく変わるために VALVE のCV値の選定は重要となります。